アップルのありえない収益力はどこから来るのか?その要因として"
デザイン力"を挙げた日経新聞の「
数字が語るアップル「デザイン経営」のすごみ 設備投資に5900億円」という記事が話題です。
"デザイン"という言葉の意味が、単なる製品の外形にとどまらず、ビジネスモデル・収益モデルの構築ところまで含んでいる感じですね。
◆ アップル・マイクロソフトの贅沢な悩み
ビジネスモデルをデザインしたアップル、マイクロソフト。先週のエントリー「
配当を発表したアップル、その身も蓋もない理由とは?」では彼らの「
"投資"と"回収"のサイクルがどうなっているのか?」そして、事業からの"回収"効率が良すぎるあまり生じる「
事業に必要の無い現金をどう使うか?」という贅沢な悩みを取り上げました。
ちょっと振り返ってみましょう。
◆ 「普通の会社は右下の法則」 - キャッシュフロー・マトリクスで企業の実態を知る
アップルの例を見る前に図の見方をご紹介します。「
"投資"と"回収"のサイクルがどうなっているのか?」を把握するための方法。それには、横軸に"回収"、縦軸に"投資"をとったマトリクスで見るとよいでしょう。
右に行くほど稼ぎが大きく、下に行くほど投資をしているということになります。普通の会社は、事業に"投資"してお金を使って、その投資をもとにお金を"回収"をします。つまり、"投資"はマイナス、"回収"はプラスになるのが普通の会社といえます。この図でいうと右下の象限になります。
「普通の会社は右下」と覚えておいてください。そして、この右下の領域はさらに2つに分かれます。まず、斜めに走る点線より上部にプロットされている領域。こちらは投資よりも稼ぎが大きく、手元のキャッシュが増えている"収穫期"といえます。もう一つの領域は投資が稼ぎよりも大きい状態、"種蒔き"をしている段階といえるでしょう。
◆ 成長まっただ中のアップル、「成長の終わり」を告げたマイクロソフト
まずはアップル。
そしてマイクロソフトです。
両社とも、右下かつ"回収"が"投資"を上回っている領域におり、キャッシュがどんどん溜まっている状況を表しています。
大きな違いは、"回収"の水準の変化です。マイクロソフトが同じようなところにとどまっているのに対し、アップルはその額がどんどん大きくなっています。
さて、冒頭の記事で比較対象にされたソニーはどうなっているのでしょうか?
◆ 種を巻き続けるソニー、収穫期はいつのことやら・・・
2000年から2011年まで、ほとんど似たような領域にとどまっています。問題なのは"投資"を"回収"に結び付けられていないことです。
この間の現金の流出額は150億円を超えています。種を撒いても撒いても、大きな実を結ぶことがない。先の見えない耕作を続けているのが今のソニーの実態といえそうです。
こんな時こそ、企業がどこへ向かおうとしているのか?ビジョナリーな経営者が求められるところでしょう。しかし、新しい
経営方針からはそれをうかがい知ることは出来ません・・・。