2011-06-22

【日経一面企業分析】三菱商事[8058]

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三菱商事グループは中国最大の国有食料企業、中糧集団(COFCO)と中国全土で食肉事業を展開することで合意した。(続きはコチラから)
◆ 記事への素朴な疑問

三菱商事らが中国国有の食料企業とともに食肉事業を展開するとのこと。経済発展と共に、西洋化する中国の食事情、その胃袋を押さえようということでしょう。

ところでそもそも三菱商事の投資ってどうなっているのでしょうか
そして三菱商事「ら」ってどういうことなのでしょうか?

以下では、三菱商事(8058)の財務状況を基に
分析します。

◆ 損益計算書の視点
三菱商事(8058)のPL(2007-2011)
2011年の売上は5.2兆円(米国会計基準ベース、日本基準だと19.2兆円ほど)営業利益は販管費の負担が減った分大きく伸長しています。次は、実際のキャッシュの流れを見てみましょう。

◆ キャッシュフローの視点
三菱商事(8058)のキャッシュフロー(2002-2011)
営業CFは全体として右肩上がりで順調にキャッシュを稼いでいるようです。

その背景には投資という布石があります。
2007年以降の投資CFの増加が顕著、2010年には一旦投資CFの水準が下がっていますが、2011年には再び投資を加速させています

投資CFを拡大させた結果、営業CFという結果に結びついているようで、投資・回収のサイクルがうまくまわっているように見えます。

それでは、B/Sにはどんな変化が現れているのでしょうか?

◆ バランスシートの視点
三菱商事(8058)のBS(2010-2011)
まずは右側の調達面から見てみましょう。

有利子負債が4.3兆円、株主資本が3.2兆円と多くの借金を活用していることがわかります。

三菱商事の「中期経営計画2012」では財務の健全性の指標として、「*ネットD/Eレシオ 1.0~1.5
を掲げています(*ネットD/Eレシオ =((有利子負債-現預金 )/株主資本)。この値が小さいほど財務の健全性が高いといえ、2011年の段階では1.0倍を下回っています。さらに借金をして(ネットD/Eレシオを上げて)投資をするぞ、ということなのかもしれません。

次に運用面を見てみましょう。

昨今商社は、投資会社・事業会社の色合いを強くしています。
よりリスクをとって収益を上げていこうとするものです。

子会社にしている会社は連結決算の手続きを経て、三菱商事に一体化されます
(ケンタッキーフライドチキンなどはこちら)。そして、出資の程度が相対的に低い関持分法適用会社への投資は「投資等」に乗ってきます(ローソンなどはこちら)。投資等の額・BSの規模がポイントになってくるのです。

かつては収益性の低いビジネスを手がけていた商社もリスクを取ることで収益性を改善させ、それが株主資本の蓄積につながっています。その結果2000年初頭には4倍を超えていたD/レシオも大きく改善しています。投資案件の精査は厳しくなされていることなのでしょう。

◆ まとめ

三菱商事「ら」の2社は伊藤ハム(2284)米久(2290)
両社はいずれも三菱商事の資本が20%ほど入っている持分適用会社、そして両社とも社長は三菱商事出身・・・。3社のスクラムは強固なようです。

さて、2017年までに1200億円あまりを投じるという今回の投資の規模について、
三菱商事全体からみるとどの程度のインパクトなのでしょうか?当社の中期経営計画を見てみることにしましょう。

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投資計画につきましては、中経期間中に毎年 7,000~8,000 億円を目処に、3ヵ年合計で2兆~2兆 5,000 億円の投資を実行致します。 
具体的には、全社戦略地域・分野に向けた投資として 4,000~5,000 億円、金属資源・エネルギー資源分野に向けた投資として1兆~1兆 2,000 億円、その他分野に向けた投資として 6,000~8,000 億円を計画しております。
(出所:中期経営計画2012) 
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食肉事業は「生活産業」セグメントに分類され、上記の中では「その他分野」に分類されます。今回の投資案件を1年にならすとだいたい200億円ほど。三菱商事からすると数多あるプロジェクトのひとつということに過ぎないのかも知れません。

畜産・飼料・加工・流通とバリューチェーンの上からまるごと押さえられるのが商社の強みです。
安全・安心な食品への関心が高まっている」という記事の指摘の真偽はわかりませんが品質管理を含んだ日本型ビジネスモデルの海外展開に期待です。



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