震災の影響で業績予測を「未定」
◆ M&A宣言はなんとあの日!
タカラトミーは3月11日(!)の午前、アメリカの玩具メーカー、RC2コーポレーション(以下RC2)の買収を発表しました(後に完全子会社化)。RC2社のホームページを見る限り、
この買収どれだけのインパクトがあるのでしょうか?直近のバランスシートを見てみることにしましょう。
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| タカラトミー[7867]のBS(2011) |
◆ タカラトミーの狙いとは?
このM&Aの狙いは何なのか?それはズバリ、グローバル展開。タカラトミーは2011年3月期の決算説明会資料で下記のような経営目標を掲げています。
・2015年の売上目標30億ドル、営業利益3億ドル
・現状20%弱の海外売上高比率を50%に目標の単位が「ドル」ということからもグローバルを志向するんだ、という意思が読み取れます。内需関連企業として正しい事業戦略、そして財務戦略だな、と頷きながら読んでいました。
しかし、次の言葉を見た瞬間、脳が「ちょっと待ったー」シグナルを発しました。
「1+1=3となるシナジーある買収」
RC2が持つ販売網を、タカラトミーが利用出来るから、というのが主な理由としてあげられています。
◆ AとMの大きな隔たり
M&Aは「Mergers and Acquisitions」の略。何気なくアンドでつなげちゃっていますが、AcquisitionsとMergersの間には大きな大きな
Acquisitionsは「買収」。金さえあればなんとかなる、という世界です。
これに対しMergersは「統合」。文化も歴史も前提も動機も異なる人々を一緒にしようとする世界、人という感情的な生き物を介するわけですから簡単に行くはずがあ
RC2の販売網を使ってタカラトミーの製品を、などと簡単に言ってしまっていいもんでしょうか?個人的には極めてあやしいように思います、
◆ タカラ+トミー=タカラトミー
そんなタカラトミーですが国内のM&
タカラトミーが誕生した経緯は業績不振に落ちいったタカラを、
業績を振り返ってみましょう。
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| タカラトミー[7867]のPL(2002-2011) |
◆ 業績は回復した、株価はまだか?
さて、
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| タカラトミー[7867]の株主価値と時価総額の推移(2006-2011) |
◆ タカラトミーの応援団
さて、
筆頭株主は「丸の内キャピタル第一号投資事業有限責任組合」(長いです・・
次に役員を見てみましょう。こちらにも、三菱商事出身者がいます。ただ、社外役員なんですね・・・(ちょっと残念)。また、RC2社のCEOがタカラトミーの取締役に就任とのこと、これは良いニュースではないでしょうか。
ただ不思議なことが一点、三菱系がこれだけ影響を及ぼしているにもかかわらず今回のM&Aの融資は三井住友が取りまとめたとのこと。
タカラトミー:買収資金を調達、総額495億円―協調融資で
なぜ三菱東京UFJ経由じゃなかったんでしょうかね?ともあれ、海外展開にあたり三菱が絡んでいるというのは個人的には評価したいポイントだと思います。
◆ ゲーム業界・玩具業界の財務の違い
家庭用ゲーム業界は当たり外れが大きく事業リスクが高いといわれ
家庭用ゲーム業界各社の財務戦略はどうなっているのか?各社のD/Eレシオを見てみることにしましょう。D/Eレシオ(Debt Equity Ratio)は財務の健全性を表す指標のひとつ。E(株主資本)の何倍のD(有利子負債)を使っているか?
各社のD/Eレシオは・・・(黄色の株主資本と有利子負債(ピンクの短期借入金と土色の長期借入金の合計)のバランスを見てください))
■ 任天堂[7974] : 0.0(無借金)
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| 任天堂[7974]のBS(2011) |
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| バンダイナムコ[7832]のBS(2011) |
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| スクウェア・エニックスHD(9684)のBS(2011) |
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| カプコン[9697]のBS(2011) |
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| コナミ[9766]のBS(2011) |
翻ってタカラトミーはM&Aの資金を有利子負債で調達しました。D/Eレシオは「0.5」から「1.5」へと上昇する見込です。
玩具業界は家庭用ゲームとは違う。将来のキャッシュフローは予測できるんだ!
ちなみに玩具の同業ということでキティちゃんのサンリオのD/
■ サンリオ[8136] : 1.1
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| サンリオ[8236]のBS(2011) |
◆ セオリーは通じるか?
縮みゆく国内市場を前に、成長余地がある海外市場を狙う。海外展開の足がかりとして海外の企業を買収する。そのための買収資金は(金利が)安くて、(為替的に)
ポイントは、玩具という分野でこのセオリーが通用するのか?そしてシナジーは本当に見込めるのか?ということではないでしょうか?
その答えは、タカラトミーの主力製品であるトミカ・
財務的な重しを果敢に背負い海外に向けて走りだそうとするトミカ、そのハンドルさばきに注目です。
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