2011-06-24

トミカの爆走、グルーバルへ!

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はやいもので6月18日の土曜で震災から100日

震災
影響で業績予測を「未定」としていた企業が400社ほどありました。今回取り上げる玩具メーカー「タカラトミー」もそのひとつ。タカラトミー業績予測発表が遅れていた要因は震災他にもありました。それは、M&A影響を精査していたこと。次第に業績予測を発表してきています。

◆ M&A宣言はなんとあ
日!

タカラトミーは3月11日(!)午前、アメリカ玩具メーカー、RC2コーポレーション(以下RC2)買収を発表しました(後に完全子会社化)。RC2社ホームページを見る限り、同社メインターゲットは乳幼児ようです。買収額は540億円あまり。買収ために借金で調達し、そ総額は495億円といいます(ソースは後述)。

この買収どれだけのインパクトがあるのでしょうか?直近のバランスシートを見てみることにしましょう。

タカラトミー[7867]のBS(2011)
総資産は945億ほどです、495億借入をするというのは相当大きな買い物だということがわかります。


◆ タカラトミー
狙いとは?

M&A狙いは何なか?それはズバリ、グローバル展開。タカラトミーは2011年3月期決算説明会資料で下記ような経営目標を掲げています。
・2015年売上目標30億ドル、営業利益3億ドル 
・現状20%弱海外売上高比率を50%に
目標単位が「ドル」ということからもグローバルを志向するんだ、という意思が読み取れます。内需関連企業として正しい事業戦略そして財務戦略だな、と頷きながら読んでいました。

しかし、次の言葉を見た瞬間、脳が「ちょっと待ったー」シグナルを発しました。

1+1=3となるシナジーある買収


RC2が持つ販売網を、タカラトミーが利用出来るから、
というが主な理由としてあげられています。


◆ AとM
大きな隔たり

M&Aは「Mergers and Acquisitions」の略。何気なくアンドでつなげちゃっていますが、AcquisitionsとMergers間には大きな大きな隔たりがあります。

Acquisitionsは「買収」。
金さえあればなんとかなる、という世界です。

これに対しMergersは「統合」。文化も歴史も前提も動機も異なる人々を一緒にしようとする世界、人という感情的な生き物を介するわけですから簡単に行くはずがありません。シナジーなど生まれない、というが極めて現実的な見方かと思います。

RC2
販売網を使ってタカラトミー製品を、などと簡単に言ってしまっていいもんでしょうか?個人的には極めてあやしいように思います、言葉は相当割引いて受け取る必要があるように思います。


◆ タカラ+トミー=タカラトミー


そんなタカラトミーですが国内M&Aでは一応成果を出しているようです。

タカラトミーが誕生した経緯は業績不振に落ちいったタカラを、トミーが吸収したことによるもタカラ社名を前に出すあたり、日本的配慮がうかがえます。

業績を振り返ってみましょう。

タカラトミー[7867]のPL(2002-2011)
2006年から売上が急に伸びています。これはタカラを取り込んだことによる影響です。ただし、利益面ではタカラ遺産せいかまだまだといったところです


◆ 業績は回復した、株価はまだか?


さて、タカラトミーを市場はどように評価してきたでしょうか?シェアーズが算出した株主価値(理論株価)と時価総額(株価)推移を比較したグラフでみてみましょう。


タカラトミー[7867]の株主価値と時価総額推移(2006-2011)


業績回復とともに黄色の株主価値は上昇しています。ただ青色の時価総額方はまだ追いついてきていないようで、時価総額が株主価値を下回る割安ゾーンに突入しています。


◆ タカラトミー
応援団

さて、タカラトミーステイクホルダーを見ていくことにしましょう。

筆頭株主は「丸内キャピタル第一号投資事業有限責任組合」(長いです・・・)。こちら、三菱商事と三菱東京UFJが組成したファンドです。先ほど、M&Aでシナジーを産むは難しいんじゃないか?という発言をしましたが、三菱商事が絡んでいるならうまくいく可能性が高まるんじゃないか・・・。という淡い期待も抱いてしまいます。

次に役員を見てみましょう。こちらにも、三菱商事出身者がいます。ただ、社外役員なんですね・・・(ちょっと残念)。また、RC2社CEOがタカラトミー取締役に就任とこと、これは良いニュースではないでしょうか。

ただ不思議なことが一点、三菱系がこれだけ影響を及ぼしているにもかかわらず今回M&A融資は三井住友が取りまとめたとこと。

タカラトミー:買収資金を調達、総額495億円―協調融資で

なぜ三菱東京UFJ経由じゃなかったんでしょうかね?
ともあれ、海外展開にあたり三菱が絡んでいるという個人的には評価したいポイントだと思います。


◆ ゲーム業界・玩具業界
財務違い
家庭用ゲーム業界は当たり外れが大きく事業リスクが高いといわれ
ます。つまり、将来キャッシュフローが読みづらいということ。ために前回取り上げた任天堂はBSに現金を溜め込んでいました。それだけ、保守的な財務戦略をとっていたということです。

家庭用ゲーム業界各社
財務戦略はどうなっているか?各社のD/Eレシオを見てみることにしましょう。D/Eレシオ(Debt Equity Ratio)は財務健全性を表す指標ひとつ。E(株主資本)何倍D(有利子負債)を使っているか?ということ。値が大きいほど借金へ依存度が高く、財務リスクは高いといえます。

各社
D/Eレシオは・・・黄色株主資本と有利子負債(ピンク短期借入金と土色長期借入金合計)バランスを見てください))

任天堂[7974] 
: 0.0(無借金)
任天堂[7974]のBS(2011)
バンダイナムコ[7832] : 0.0
バンダイナムコ[7832]のBS(2011)
スクウェア・エニックスHD[9684] : 0.3
スクウェア・エニックスHD(9684)のBS(2011)
カプコン[9697] : 0.1
カプコン[9697]のBS(2011)
コナミ[9766] : 0.2
コナミ[9766]のBS(2011)
各社揃って有利子負債をほとんど使っていません。業容かぶっているバンダイナムコにいたっては「0.0」です。

翻ってタカラトミーはM&A
資金を有利子負債で調達しました。D/Eレシオは「0.5」から「1.5」へと上昇する見込です。

玩具業界は家庭用ゲームとは違う。
将来キャッシュフローは予測できるんだ!と言えるでしょうか?確かに、タカラトミー製品を見るとかなり多岐に渡っています。点、大作化が進む家庭用ゲームメーカーとは事情が違うかも知れません。

ちなみに玩具
同業ということでキティちゃんサンリオD/Eもご覧ください。

サンリオ[8136] 1.1
サンリオ[8236]のBS(2011)
これだけ有利子負債を抱えているは凄いこと。キティちゃんを中心とした版権から安定したキャッシュフローが見込めるという思惑がこ財務に現れているかもしれません。


◆ セオリーは通じるか?


縮みゆく国内市場を前に、成長余地がある海外市場を狙う。海外展開足がかりとして海外企業を買収する。ため買収資金は(金利が)安くて、(為替的に)強い円を使う。事業戦略・財務戦略はまさしく教科書通りでしょう。

ポイントは、玩具という分野でこ
セオリーが通用するか?そしてシナジーは本当に見込めるか?ということではないでしょうか?

答えは、タカラトミー主力製品であるトミカ・ベイブレードが顧客である子供たちにどんな価値を提供しているか?そして、そ価値に普遍性はあるか?ということが鍵を握っているように思います。

財務的な重しを果敢に背負い海外に向けて走りだそうとするトミカ、
ハンドルさばきに注目です。

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