欧州債務問題の混迷で円高が長期化するなか、企業が為替リスク軽減策を急いでいる。海外生産の拡大に加え、富士フイルムホールディングスは新たに製品の値上げを検討する。対ドルだけでなく対ユーロでも円高が進んだことで、多くの企業は想定為替レートの修正を迫られており、業績悪化を食い止めるため手を打つ。ただユーロ安への対策は難しく、収益の下振れ懸念はぬぐえない…。
◆ 記事への素朴な疑問
円高関連の記事、今回はEURO問題です。欧州債務問題の混迷で長期化しているのはユーロ安では?という気もします(その結果としての円高)。しかし、欧州で戦う企業にとっては円高は大きな課題。今回のエントリーで取り上げるのは記事には直接登場しませんが、欧州をメインターゲットに活躍する竹内製作所(6432)。この竹内製作所、全社売上の95%以上を海外から、そして、全社売上の50~60%を欧州を舞台に稼ぎ出すバリバリの「欧州組」ということができます。
さて、欧州組の業績と為替の関係はどうなっているのでしょうか?
そして、欧州組は円高ユーロ安にどう立ち向かおうとしているのでしょうか?
以下、竹内製作所の財務をもとに分析していきます。まずは業績の推移を見ていくことにしましょう。
円高関連の記事、今回はEURO問題です。欧州債務問題の混迷で長期化しているのはユーロ安では?という気もします(その結果としての円高)。しかし、欧州で戦う企業にとっては円高は大きな課題。今回のエントリーで取り上げるのは記事には直接登場しませんが、欧州をメインターゲットに活躍する竹内製作所(6432)。この竹内製作所、全社売上の95%以上を海外から、そして、全社売上の50~60%を欧州を舞台に稼ぎ出すバリバリの「欧州組」ということができます。
さて、欧州組の業績と為替の関係はどうなっているのでしょうか?
そして、欧州組は円高ユーロ安にどう立ち向かおうとしているのでしょうか?
以下、竹内製作所の財務をもとに分析していきます。まずは業績の推移を見ていくことにしましょう。
◆ 損益計算書の視点
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| 竹内製作所の四半期PL(2009Q1-2012Q1) |
竹内製作所の四半期業績とユーロの為替を並べてみたのが上図です。為替は赤線で表示しており上に行くほど円安、下に行けば円高ということになります。
2009年2月期Q2からQ3(暦の上では2008年の秋)にかけ、リーマン・ショックの影響を受け大きく為替は円高ユーロ安に振れています。ユーロは160円から120円へと、25%も減価してしまったのです。これを受け、円ベースの売上高も急落してしましました。
その後、ユーロは再評価されますが、当社の売上は回復していません。景気低迷により、実需が失われてしまったということなのでしょう。
さらに、2010年2月期Q4以降は円高というハンデにもかかわらず、当社の売上は回復基調にありました。こちらは、実需が回復基調にあったということができそうです。
売上を単なる額ではなく、「売上=単価×数量×換算レート」という要素に分解して考えてみるというのが役に立ちそうです。
さて、為替の影響に翻弄される「欧州組」、果たしてどんな対抗策をとっているのでしょうか?
◆ 抗円高4つの処方箋をバリューチェーンから考えてみる。
日経の記事では、以下の4つの具体的な選択肢が例示されています。
- 値上げ
- 海外生産の拡大
- 部材の海外調達拡大
- 財務戦略
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| 竹内製作所(製造業)のバリューチェーン。 国内で調達・製造し、国内外で販売しているということを表している。 |
製造業でいうと、原材料を調達し、それをもとに製造し、販売するという流れです。これを竹内製作所で考えてみましょう。竹内製作所がもっている機能はピンクの領域になります。すなわち、竹内製作所は国内でのみ調達・製造を行なっており、海外には販売の機能しかありません。海外での販売機能、すなわち輸出です。95%以上が海外なのですから、現地通貨の影響は避けられません。
さて、再び抗円高4つの処方箋を見てみることにしましょう。
1.値上げ販売の機能へのテコ入れになります。値上げは即効性がありながら、すべての企業が採用できるか?というと必ずしもそうではありません。なぜなら、値上げするには顧客から"価値"を認められていることが欠かせないからです。ということはこの選択肢が取れたコマツ、日立建機、富士フィルムには競争力があるということがいえそうです。
2.海外生産の拡大は、海外で製造を行うということです。これは大きな投資が欠かせません。即効性という観点からはオススメできない選択肢ということがいえそうです。
3.部材の海外調達拡大は調達を海外で行うということです。輸送コストのことを考えると、現地調達現地生産の方がよさそうですが、近年では中国韓国から部品を調達し、国内で製造する外地調達・現地生産というモデルも見られるようです。即効性はありそうですが、モロモロのコミュニケーションコストが掛かってしまうのでは?などと個人的には思います。
4.の財務戦略は、上記バリューチェーンには直接は乗っていません。記事によると単なる為替ヘッジ以外にも多様化しているとのことです。
グローバル化が進む世界で企業がどの機能を、どの地域で展開していくのか?そして、それらをどうオペレーションしていき、最終的にはどう価値を産んでいくのか?まさに企業戦略の巧拙が問われることになるのです。さて、あなたの保有銘柄は・・・
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