◆ パナソニック、TV事業縮小 1000人規模の削減検討 工場停止・売却も 赤字脱却狙う
パナソニックはテレビ事業を縮小する。プラズマパネルの最新鋭工場である尼崎第3工場(兵庫県尼崎市)の生産を年度内に停止し、液晶パネルを製造する茂原工場(千葉県茂原市)は売却する方針。1,000人規模の人員削減も検討する。円高や韓国・台湾勢との価格競争の激化で同社のテレビ事業は3期連続赤字となっている。パネルの外部調達や組み立ての委託を増やすなどして赤字体質からの脱却を目指す…。iPhone4Sを武器に快走するアップル、国家ぐるみのサムソン、そして台湾勢。彼らを相手に、日本の電機産業は苦しい戦いが続いています。
各社にとって事業の選別・構造改革は喫緊の課題といえるでしょう。今回のパナソニックのTV事業縮小もその一貫です。多すぎる「総合家電」の合従連衡は、ますます進むことでしょう。
今日はそんな家電業界をバランスシートから外観してみたいと思います。
◆ バランスシートを見る3つのポイント
バランスシートは、企業が調達したお金がどのように運用されているかを見るものです。さてこのバランスシートを見る際のポイントはざっくり3つあります。- 面積の大きな部分に注目する: 「面積が大きな部分」は企業がそこにお金を投資しているところ、ということです。細かい数字を追うのではなく、「大きい」=「重要な」項目に集中しましょう!(面積が小さくても重要な項目というのもたしかにありますが、ざっくり全体像を把握するには、まずは大きな部分から見ていくのが良いでしょう)
- 右下の株主資本、左上の現金で「安全性」をチェック: これらは企業の財務の健全性を見るためのものです。右下の株主資本が大きいということは自己資本比率が高いということ、左上の現金が大きいということは流動性が高いということです。
- 借金(短期借入金+長期借入金)で「安全性」をチェック: こちらも企業の財務の健全性を見るためのものです。急成長している会社でも借金に依存していれば、資金繰りが苦しくなったら倒産になりかねません。
◆ 国内電機産業メーカーのバランスシートを比較すると…
さて、2011年3月末時点の各社のバランスシートを比べてみたのが下記の図です。先ほどの3つのポイントを参考に、眺めてみてください。果たして何が見えてくるでしょうか?![]() |
| 電機各社のBS(2011年3月末時点) 黄色が株主資本、点線部分で囲った部分が借金 |
総資産の小さい順に、NEC、シャープ、富士通、三菱電機、東芝、パナソニック、日立製作所、そしてソニーとなっています。
◆ ソニー[6758]はメタボ?
こうして見るとソニーの総資産が12.9兆と突出しています。これにはカラクリがあります。それは、ソニーが金融業を営んでいることにあります。
◆ 借金大王?日立製作所[6501]
次に、15年半ぶりに時価総額が電機首位に迫っている日立製作所はどうでしょう。すると、日立製作所は他社と異なり、株主資本よりも借金が多くなっています。つまり、財務リスクが高い会社ということができます(すいません、日立製作所だけでなく東芝も、でした)。
なぜでしょうか?
それは、日立のビジネスが電機だけではなく多岐に渡っているからです(参考:「日立・三菱重工 統合へ 13年に新会社、世界受注狙う」)。
家電ビジネスは基本、売ったらそれでおしまいという安定性の乏しいビジネスです。これに対し日立は、インフラビジネスなど安定した収益の見込めるビジネスも行なっています。事業の安定性が高いからこそ、不安定な財務基盤でも事業を行なっていくことができるのです。
◆ のれん爆弾!?パナソニック[6752]
さて、今回の記事に登場したパナソニックはソニー、日立製作所に次いで3番目の大きさです。パナソニックは、黄色の株主資本の「額」も大きく、借金も株主資本に比べて少なく一見すると安全性が高そうに見えます。
しかし、パナソニックのバランスシートが他社と大きく違う点があります。
それは灰色で示された無形固定資産の大きさです。そのうちオリンパスの不正会計疑惑で話題になっている「のれん」が9,000億円にも登っています。
パナソニックも、オリンパスのように多額の損失を計上してしまうのでしょうか?
この点、オリンパスよりは危なくない、といえるのではないでしょうか、なぜなら両社のれんが計上された原因となるM&Aの性質が大きく異なるからです。オリンパスののれんが、ありえないM&Aの結果生まれたのに対し、パナソニックののれんは三洋電機のM&Aの結果生まれたものだからです。
さて、皆さんは各社のバランスシートからどんな違い、そして共通点を見出したでしょうか?
気になった方は各社の個別の財務ページを見てみてください!
★ ソニー[6758]の詳細はこちらから
★ 日立製作所[6501]の詳細はこちらから
★ パナソニック[6752]の詳細はこちらから
★ 東芝[6502]の詳細はこちらから
★ 三菱電機[6503]の詳細はこちらから
★ 富士通[6702]の詳細はこちらから
★ シャープ[6753]の詳細はこちらから
★ 日本電気[6701]の詳細情報はこちらから

