2011-12-13

66万人の有料会員に支持される「クックパッド」というビジネス

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2011年12月15日、料理のレシピサイトを運営するクックパッドが東証一部上場をはたしました。マザーズに上場したのが2009年7月17日、一部上場までその間わずか811日です。

クックパッドはざっくり二種類のビジネスをしています。

  1. ユーザーが相手の課金サービス:月額294円(税抜280円)
  2. 事業会社が相手の広告系サービス
    (広告事業とマーケティング支援事業)

1.月額課金サービスは、一度有料会員になってしまえば継続的な収益が見込めるストック型のビジネス。

重要なのは、有料会員数をどれだけ積み上げられるか?ということ。グラフにまとめてみました。

QP有料会員数の推移

 

◆ 有料会員増加の要因、課金システムの充実にアリ

クックパッドの有料会員数が大きく伸びたのは、まずガラケーの公式サイト化があったのがわかります。これによって、ユーザーはガラケーの料金と一緒に支払いが可能になりました。課金システムの構築は有料サービスにとって大事なんですねぇ。

その後、バレンタイン特需がやってきます。その後は、安定して有料会員数を伸ばしています。レシピサイトとしての地位を確立してきた時期といえるのではないでしょうか?

そして2009年11月、iPhoneアプリでの有料サービスが開始(参考:CookPad公式アプリ「クックパッド」が大幅機能強化でついに有料サービス対応。待ってたぜ!!)。しかし、この有料サービス、クレジットカード決済にしか対応していなかったとのことです。その後の有料会員数の伸びが一段落だったのはこのあたりが要因なのかもしれません。

こうして積み上がった有料会員数は推計66万4,000人、月次売上は1億8,000万円強(2011年10月末時点)

◆ 有料会員数の伸び悩み、本当に「一時的な要因」か?

しかし、直近の有料会員数の増加が大きく落ち込んいるのが気になるところです。

これに対し、クックパッドは「スマートフォン移行による一時的な退会増」と説明しています。クレジットカード決済以外の決済システム(Apple、またソフトバンク経由の課金)に対応を開始したのがちょうど2011年の9月とのこと(なお、docomo、KDDIは既に対応済み)。

ガラケーからスマホに移行する際に、やめてしまったユーザーが相当数いた、ということなのでしょうか・・・?

ともかく、これでスマホでの課金システムが構築されたことになります。本当に一時的な要因かどうか、次の四半期決算が楽しみなところです。

◆ 課金売上はどう決まるか?

「有料会員の積み上げが重要」、と言いつつ実はクックパッドは有料会員数を開示していません(なぜなんでしょう・・・)。しかし、課金売上がどういうメカニズムで決定されるかを考えれば、有料会員数の推定はできます。

課金売上は、「単価 × 頻度 × 有料会員数」で決まります。 単価は294円(税抜280円)、頻度は月額課金で月1回となります。最初のグラフはそこから有料会員数を逆算したわけです(一応、クックパッドのIRの方に聞いてみたところ「有料会員数は60~70万人」ということだったので大きくは外してない模様です)。

◆ 営業利益率40%超は当たり前!

さて、ここで改めてクックパッドの業績を見てみましょう。下記は、課金・広告あわせたクックパッド全体の四半期ごとの売上・営業利益率の推移です。

クックパッド_全社

売上はおおむね右肩上がり、2011年に入り一旦横ばい傾向だったものの(震災の影響でしょうか?)、直近の売上は9億7,000万円(前四半期比15.3%増)と再浮上を見せています。

そして特筆すべきは、営業利益利益率の高さです。これは、クックパッドがユーザーから投稿されたレシピという会計的には測れない無形の資産を使っているためです。これだけ高い利益率を誇っているわけです。

さて、この売上を課金・広告に分けてみましょう。

◆ 収益構造に変化アリ、課金が広告を上回る

さて、繰り返すとクックパッドは2つの事業をしていました。

  1. ユーザーが相手の月額課金サービス
  2. 事業会社が相手の広告系サービス
    (広告事業とマーケティング支援事業)

四半期ごとの売上はどのように推移しているのでしょうか?クックパッド_セグメントごと

大きなトレンドとして目につくのは、課金売上の伸びです。有料会員数の伸びに伴い課金売上が順調に伸び、広告系を上回ってクックパッドの稼ぎ頭になっています。

また、直近の増収の要因は震災以後落ち込んでいた広告系が回復したことによるものだとわかります。ただ気になるのは、課金に比べ、広告の伸びがイマイチなこと。セオリーで考えれば、媒体価値が上がれば、広告収入も伸びそうなものです(このあたりは次回のエントリーで詳細をお届けします)。

 

さて、課金ユーザーを積み上げてきたクックパッドの東証一部上場までをざらっと見てきました。いかがでしたでしょうか?次回もクックパッド関連をお届けします。特に、有料会員増のメカニズムを更に掘り下げていく予定ですー。

それではー

 

◆ クックパッド[2193]の財務情報の詳細はコチラから

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